あらすじ
語り手は、春告鳥。
演者は、葉脈憑き。そして葉脈祓い屋と花師。
観客は──あなた。
幕を開けるは、その時限りの物語。
売れない作家の小鳥遊螢は、ひょんなことから人に憑くという【鬼の葉脈】を祓う祓い屋である男子高校生──梵諫早と出会う。諫早に葉脈憑きを鎮めることができる春告鳥だと告げられ諫早の春告鳥になるよう誘いを受けるものの、自分の文章に自信の持てない螢はそれを拒絶する。
頭部が植物のように変形している葉脈憑きに襲われ怯える螢だったが、祓う能力を持たなくとも葉脈憑きを救いたいと願う諫早の態度に胸打たれ、物語を語った。
見事葉脈憑きを鎮めた螢へと、諫早は手を伸ばす。
「おれには、あんたが必要なんだ」
「ね、怖がってていいから。あんたのことはおれが守るから」
「おれは、やっぱりあんたが欲しい」
迷った末に、螢は諫早の手をしっかと取った。
自信の持てない春告鳥と、祓う能力のない葉脈祓い屋。ふたりの出会いがもたらすものは、癒しか、呪いか──。
※エピソードの一番最後に公募用あらすじ(結末含む)が有り。
※紗幕の口上に、「中部山岳国立公園・上高地5つのルール」を参考とさせていただきました。
【登場人物】
●小鳥遊螢(たかなしほたる)
売れない作家。春告鳥。人とコミュニケーションを取るのは苦手。お酒が大好き。
●梵諫早(そよぎいさはや)
落ちこぼれの祓い屋。螢が春告鳥と気づき、声をかける。雪彦と契約している。
憧れの食べ物はお子様ランチ。
●岩結雫久(いわいしずく)
祓い屋。普段は冷静な性格だが、環に関することには沸点が異常に低い。
作家、湖鷹ケイのファン。
●鉤菜環(かぎなたまき)
祓い屋。家族は幼い頃に亡くなっており、幼馴染みの雫久の家に居候している。
●梵不知火(そよぎしらぬい)
祓い屋。諫早の兄。礼儀正しい青年。穂積と契約している。
●夏凪雪彦(なつなぎゆきひこ)
花師。華道家としても活動しており、知名度は高い。諫早と契約している。
●小鳥遊日々季(たかなしひびき)
螢の養い親。身体に火傷跡が多く、夏でも黒の長袖を着用している。
料理の才能はなく、キッチンに立てば火が出る。
●夏凪穂積(なつなぎほづみ)
夏凪家本家筋の現当主。不知火と契約している。かなりの気分屋。
●戸叶琴子(とがのことこ)
湖鷹ケイの担当編集者。湖鷹の作品が大好き。ちなみにBLも好き。