あらすじ
●アイという人間が、愛を求めて足掻く《バトルファンタジー悲喜劇》
●イギリスのオックスフォードで、文学と哲学を学んでいたときに書いた、英語の詩をもとにした小説です。
今まで学んできた書物を昇華できていればうれしいです。
●12話が最初のクライマックスです。
◇◆◇ 毎日2回更新 0:00・18:00 ◇◆◇
「うまれてきて、ごめんなさい。」
さっきうまれて、はじめてのことばだった。まだまどろんでいるらしい。
こんな夢をみた。
わたくしのお父様とお母様が話している、病室のベットの上で。
「この子は将来、貴方のようにとても大きな事を成すでしょうね。」
「いやいや、君のように人を助けるようなことをするさ。」
「なんにせよ、なんでもできるさ、だって君の子供だからね。」
「そうだね、誰より思いやりのある貴方の子だものね。」
「学校でも沢山友達を作って」
「貴方のようなかっこいい子に」
「貴女のようにきれいな子に」
「この愛らしさできっと家族のアイドルになって、みんなの絆をもっと強くしてくれるよ。」
「この小さなかわいらしい手で」
「この人懐っこい笑顔で」
「「だって、この子には無限の可能性があるんだから、何にだってなれるよ!!」」
――ところがどうだ、今の俺は、大好きなおとうさん、おかあさんが望んだのは、かぞくをなかせるようなこどもじゃない。
◇◆◇
リテラチュアと呼ばれる現世には、広大な大地と大海が広がっている。その西の果て、極西は、早々に|地獄《パンドラ》資源の活用に乗り出し、長い歴史を誇るファンタジア王国が支配していた。そのさらに西にあるパンドラ公国、ファンタジア王国の現王の子が君臨する公国ではあるが、統治する実権はミルヒシュトラーセ辺境伯爵家が握っている。この国は西の蛮族に対抗する為の緩衝国家として、ファンタジア王国の国王が自らの第二子を王に据え、ミルヒシュトラーセ辺境伯爵家をその武力として与え、作った国である。当然その権威と権力は辺境伯爵よりも公国の王が優越する――はずだった。
辺境伯が|地獄《パンドラ》から賢者の贈り物を見つけるまでは。
◇◆◇
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