あらすじ
十六歳のルルタは、国王の寵愛を一身に受けている美しい寵妃に、侍女として仕えることになった。
上流階級の子女にとっては、これ以上ない名誉であり幸運だ。
ルルタははりきって働くが、生来のそそっかしさが災いして失敗が多い。
異国から来た美しい寵妃は、いつも冷たくほとんど口もきかない。
ルルタのことなど目にも入っていない様子だ。
時々とても寂しそうな目をする。
この人に笑って欲しい。
ルルタは、そう思うようになる。
★主な登場人物★
・ルルタ
富裕な商人の娘。十六歳。
嫁入り前の箔付けのために、後宮に侍女として奉公に上がることになった。
明るく人懐こくよく喋る。反面、思い込みが激しくそそっかしい性格。
・シャナラ
ルルタが仕える国王の寵妃。十六歳。
「その美貌は国を誤らす」と絶賛される麗姿を持つ。
三年前、小部族からの献上品として後宮に納められる。
前国王が死んだ後も、引き続き後宮に残り、現国王エルシドの寵を得ている。
とある秘密を抱えて心を閉ざしている。
・エルシド
国王。二十一歳。
二年前、父王の死に伴い王位を継承した。
シャナラと並んでも遜色がないほどの美形で、侍女たちに人気がある。
・マーリカ
侍女頭。四十代半ばほど。
シャナラが後宮に来た時からの世話係。
厳格な性格。
・ユンカ
ルルタの同期の侍女。十六歳。
地方貴族の娘で、おっとりした性格をしている。
・キラ
ルルタの同僚の侍女。十六歳。
官僚の娘。将来は侍女頭になることを目指している。
しっかり者。
・レイ
シャナラ付きの侍従の少年。十七歳。
代々、後宮の諸事を主る侍従長を代々務めるクランスカ家の出身であり、将来を約束されたエリート。
抜け目なく嫌味な性格。
・ラガルド
旧皇家の血を引く将軍。三十二歳。
歴戦の勇将であり、狡猾な策士でもある。
三年前の「東伐」の指揮官。
シャナラを人質として差し出す話をまとめた。