あらすじ
〔この作品は、千織📖山羊座文学様の企画「👁️異常小説」に参加しています。テーマは「異常性」です。〕
https://kakuyomu.jp/user_events/16818622174700144052
その日も、何も変わらないはずだった。無機質な打刻音。冷えた空気。いつものデスク。ほんの少しの違和感さえ存在しない――たった一本の電話が鳴るまでは。
「――藤井理央様の退職手続きを代行させていただきます。」
何の前触れもなく、ひとりが職場から消えた。残された者に告げられたのは、わずかな事実と、言葉にならなかった沈黙だけ。あまりにも静かな“さよなら”に、彼は抗いはじめる。理由を知りたくて。思い出を裏切られたくなくて。
けれど、追いかけるほどに浮かび上がってくるのは、「見えていたはずの景色」が、実はまったく別の色をしていたという現実。日常に潜む違和感に、あなたはいつ気づけるだろうか。