あらすじ
その日、公爵令嬢クラリスは全てを失った。王太子アルフォンスから夜会で婚約破棄され、身に覚えのない罪で国外追放を宣告されたのだ。
「君のような悪女を王妃にはできない」
弁明も許されず、実父にすら見捨てられ、極寒の地へ――。
吹雪舞う雪原で力尽きた彼女を拾ったのは、隣国ガルディアの“氷の王太子”ライナー。銀髪に氷の瞳を持つ、彫刻のように美しく冷徹な男だった。
ガルディア王城で始まった奇妙な庇護生活。ライナーの態度は冷たく、側近たちはクラリスを疑う。孤独と不安に苛まれる日々。
しかし、なぜかライナーは彼女にだけ、不可解なまでに過保護な一面を見せる。
最高級の待遇、常に注がれる視線、不意にかけられる気遣いの言葉……。「感情は不要」のはずの彼が、クラリスにだけ見せる執着と独占欲。それは凍てつく氷が溶ける前の、微かな熱のようで――?
一方、クラリスを追放した母国エルバインは、愚かな王太子の悪政で崩壊寸前。
そしてついに、見る影もない元婚約者が土下座しに現れた時、ライナーは静かに言い放つ。
「彼女は、ガルディアの未来の王妃だ。返すつもりはない」
これは、理不尽に全てを奪われた令嬢が、追放先の冷徹王太子に拾われ、その不器用で底知れない溺愛に戸惑いながらも、真実の愛と幸福な居場所を見つける逆転ラブストーリー。
冷たい氷が溶けるほどの、甘くて過保護な溺愛の行方は――?