あらすじ

~あらすじ~  牧野(まきの)蜜(みつ)は、ショ―パブで歌手を務める十七歳の女子高生。ある日、雇い主から、相性最悪の新人ピアニストとの仲をからかわれ憤慨し、店を出る。歩道橋の階段で強盗とぶつかり、盗品の中から飛び出してきた金の指輪を握ったまま、階段から転落した。 目を覚ますとそこは、宗教改革による混乱も終盤を迎えたケメト(古代エジプト)の都アケトアテン。金の指輪の翻訳機能で現地人との会話には困らずにすんだ蜜だったが、そこを異世界だと思いこむ。所持品はガラクタばかりが入ったリュック一つ。自棄になった蜜は、道端で熱唱。それを見た旅の女楽士三人からの誘いにより、歌手として彼女らの仲間入りをする。 翌日、レイという美男があらわれる。レイは、ぺル・アア(ファラオ)、ツタンカアテンの命令で、蜜を値踏みしに来たのだった。 蜜はレイから散々扱き下ろされながらも、仕事をもらう。だが、レイの毒舌にすっかり怖気づいてしまった蜜。仲間の三人は、蜜に自信を取り戻させようと、とある貴族が主催する宴会の仕事をとってくる。そこで披露したアイドルグループの楽曲が大盛況だったことで復活した蜜だったが、賓客としてレイが現れ、パニックに陥る。さらに招待客から売春を要求され、逃げ回る羽目に。そんな蜜を救ったのは、レイだった。神官と医者を兼務しているレイの診療所に招かれた蜜は、自分は異世界人だと打ち明ける。  レイとの約束の日。蜜らはレイがツタンカアテンの主治医であることを知らされる。ツタンカアテンという名前を聞き、蜜はようやく、そこが古代エジプトであることと、ツタンカアテンが少年王ツタンカアメンであることに気付く。未来の歌を披露し、少年王に気に入られた蜜らは、少年王のお抱え楽士となる。 ある日蜜は、王女とレイとの会話を盗み聞き。レイが、死んだはずのぺル・アア、スメンクカーラーであること。そして、近々アテン信仰が廃止され、従来の多神教に戻ると同時にイネブヘジ(メンフィス)への遷都が行われるという極秘情報を知る。 己の幸福を犠牲にし、ケメトにその身を捧げているレイの生き方に、蜜は胸を痛める。またその頃から、蜜の持ち物が徐々に消えて無くなりはじめる。その現象は、金の指輪の元の所有者、亡きネフェル・シュマトが抱いていた歌への執念によるものだった。蜜は、歌い続けていればいずれ自分は日本へ帰れるという結論を導き出す。 その後も蜜は、仲間と絆を深め続け、またレイに惹かれていく。そんな日々を送る中で、蜜はマラリアに感染し死地を彷徨う。夢の中でネフェル・シュマトと出会い、彼女から指輪の栄誉を譲られた蜜は、レイの看病と祈りにより生還。レイと蜜はめでたく恋仲に。ところが、アテン大神殿の最高司祭であるアイが帰京し、遷都が一月後に決定したことで、蜜の周囲は慌ただしくなる。アイは、アケトアテン最後の大宴会を計画し、蜜らに余興を依頼。蜜は、神殿の楽士らを交えてゴスペルを披露。アイは宴席の場で、アテン大神殿の最高司祭の任をレイに譲渡。レイは少年王から引き離され、政治への介入を完全に断たれてしまう。レイは蜜に、イネブヘジに同行して少年王の力になってくれと頼む。蜜はジレンマに陥りつつもそれを承諾した。 出立の日、蜜はイネブヘジ行きの船に乗りかけるも心変わりし、レイの元へ戻る。しかし、レイはアテン信仰のケジメとしてホルエムヘブに殺されていた。その後、蜜は仲間とともに、都市機能を失ってゆくアケトアテンでレイの鎮魂歌を歌い続ける。リュックが消え、やがて蜜も日本に帰る時が訪れた。仲間に抱きしめられながら、蜜は消える。 タイムスリップした同じ日の日本に帰された蜜は、ショ―パブに戻る。そこにいたのは、新人ピアニストの怜(れい)として転生を果たしていたレイ。レイだけでなく、現代の知り合いの中に古代エジプトの仲間が転生している事を知った蜜は、歓喜した。 ※本作は、小説家になろう、pixivにも掲載しています。

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カクヨム2025/05/06
  • 現在の作品ネフェル・シュマトは歌う