あらすじ
『不義の子』と呼ばれ家族から蔑まれる下級貴族の桜詩兎。
祖父が亡くなったことをきっかけに金遣い荒い家族のせいで家門は没落寸前。
祖父の大切にしていた家門を守るために家族から冷遇されながらも詩兎は研磨師として働いていた。
遥か昔、仙女と竜神が結ばれたことで創られた竜宝国は竜神を崇め、国の象徴としている。
『竜眼石』とは竜神が人にもたらした恩恵の一つで、特殊な力が宿った石のこと。しかし、数十代前の愚王が私利私欲のために大量の竜眼石を悪用したために、採掘される竜眼石は空気に触れると黒く変色し、効力を失ってしまうようになってしまった。
その『竜眼石』の変色を磨いて取り除き、本来の輝きを取り戻すのが研磨師の仕事である。
しかし、変色を取り除くことができるのは仙女と竜神の血筋である上位貴族だけ。
竜神の血筋を『竜血の者』と呼び、竜の血が濃い者ほど竜眼石の扱いに長けているとされる。
詩兎は研磨はできるが竜眼石をまったく扱えないために貴族としても認められずにいた。
家門のために日々努力していた詩兎だが、ある日、異母妹である華陽と竜王殿下の婚姻が決まり、『不義の子がいては家門の恥になる』と言われ出て行くように伝えられる。
家門と残された職人達のために食い下がる詩兎だが、偶然居合わせた顧客の炎瑛に貰われてしまう。
青銀色の髪と麗しい容姿の青年だが、感情の読めない微笑みやいちいち人の神経を逆撫でするような発言が目立ち、詩兎は苦手としていた。
そんな炎瑛に連れてこられたのは王都の中央にそびえ立つ宮殿だった。
華祭りを祝うために腕の良い研磨師を探していた炎瑛こと竜王露火は詩兎に生活を保証する代わりに研磨師として力を貸して欲しいと頼まれる。
研磨師として宮廷の研磨局に入局するが、何やら不穏な空気。
雑な仕事も詩兎には受け入れ難いもので改善を図っている最中、露火と華陽の婚姻話があることを思い出して困惑。
華陽と結婚するという噂があるのに詩兎を側に置こうとする理由は―――?