あらすじ
春日高校に通う島田すずかは、学校の異常な男女比(男9:女1)と、毎日のように飛んでくる告白にうんざりしていた。
その夜も、塾帰りの公園で、彼女に好意を寄せる男子ふたりが殴り合いを始めた。……が、すずかは一喝。
「──はい! そこまで! わたしは両方とも付き合いません!」
そのまま友人の千夏と駅へ向かいながら、モテすぎることの異常さと煩わしさを語るすずか。
そんな彼女に千夏は「明日転校生が来る」と告げるが、すずかはまったく興味を示さない。
「どうせ普通の人間でしょ」……と。
そう高をくくっていた彼女の日常が──翌朝を境に、すべて変わる。
登校途中、角を曲がったところで男子生徒と衝突。
なんとその拍子に、相手の首がボロンと外れて転がった。
すずかは一瞬、自分が人を……と思い込み絶望するが、男子生徒の首は冷静に話しかけてくる。
「心配ない。中枢は壊れてはいないようだ」
驚愕しながらも、すずかは彼の頼みに応じて首を胴体にはめ、端子をつなぎ直す。
再起動した彼は「痛みはデータ化される」と語り、自らを〝アンドロイド〟と名乗る。
彼の名前は安藤零二(あんどう れいじ)。
本日が春日高校への初登校で、迷子になっていたという。
すずかはしぶしぶ学校までの案内を引き受けるが、およそアンドロイドらしからぬポンコツさと、常識外れな残念感を見せてくる安藤くんに、すずかの心は少しずつ揺れ始めていく——。
「ロボットなの?」
「アンドロイドだ。それと、僕がアンドロイドであることは黙っていてほしい。レベル5の国家機密だからね」
「ええー!? こんなおもしろい話、黙っとかなきゃいけないの!?」
こうして、〝普通の人間が嫌いな女子高生〟と〝普通すぎる国家機密なアンドロイド男子〟の奇妙な共存関係は始まった。
機械ゆえ、恋愛感情のない安藤くんを男よけに使うことにしたすずかだが、どうもそのうちに、なんだか安藤くんのことが気になりだして……
はたして安藤くんは、すずかの気持ちに応えてくれるのか?
ここから始まる、アンドロイドと人間の、ひと夏きりの契約恋愛……。