あらすじ
出雲冬也(いずも とうや)は、平凡で皮肉屋な優等生。彼の生活は、静かな初夏の日曜日、ただ勉強をして過ごす日常に過ぎなかった。だが、そんな日常は突如として破られる。父親から告げられたのは、まさかの「許嫁が決まった」という衝撃的なニュース。その相手は、幼馴染の三笠みなみ(みかさ みなみ)――天才的な美少女で、完璧主義者だった彼女と、なぜ今さら「許嫁」などという形で結びつくのか、冬也は訳が分からない。
しかし、その日から何かが変わり始める。次の日、駅前で再会したみなみは、まるで数年の時間を飛び越えて、彼女が用意してきた「計画」を実行に移し始めていた。白いワンピースに日傘を差し、以前と変わらぬ鋭い眼差しで冬也を見つめる彼女。その美しさに心揺さぶられる暇もなく、みなみは淡々と語る。「私はすでに外堀を九割五分埋めてあります」と、まるで事前にすべてを決めていたかのように。
彼女の言葉の裏には、家の都合や伝統を超えた「個人的な執念」が隠されており、冬也はその一歩先を行く彼女に恐れと魅力を感じるようになる。だが、彼女の想いがどれほど本物なのか、冬也はまだ完全には理解していなかった。
冷静で皮肉屋な冬也と、計算高くもどこか純粋な心を隠し持つみなみ。彼女が仕掛ける、理屈と愛が交錯するような不器用なラブコメディが、夏の陽射しの下で静かに始まる――。
予測できない展開と、じれったい思いが交差する青春ラブコメディ。