あらすじ
蟻型地球外生命体"ANT"により、地球面積の半分以上が燃える「蟻の巣」と化した世界。
人々は逃げ惑い、立ち向かい、飲み込まれていった。
凍詠ハヤブサは、サッポロの皇国陸軍士官学校を二十歳の若さで主席卒業した、冷静無比で感情を表に出さない新米指揮官。
"ANT"に包囲されつつあるトーキョー特別市の絶対防衛戦に配置されるはずだったが、指揮予定だった部隊は"ANT"の攻撃により、ハヤブサがトーキョーに着いたときには既に全滅していた。
なりゆきで指揮補佐官として着任することになったのは、強襲戦車中隊「トゥースブラッシュ」。
それは、住む家も故郷も学校も焼かれ、復讐に燃える猪突猛進系女子の煌舞アラセや、出身地のトーキョーを命懸けで守ろうとする戦車歴十五年目の揣廻タイヨウたち、年端もいかぬ新人からベテランまでが寄せ集められた即席部隊だった。
迫り来る"ANT"の群れに対し、各地で敗北し烏合の衆となりつつある皇国陸軍。
街を奪い返すことに執着し、命令を待たず前進しようと焦るアラセに対し、ハヤブサが下す作戦指示とはーー
「一分二十五秒間の連続射撃後、位置をそこから三メートル後退。安全を確保してから補給を受けてください。補給の到着は一分五十秒後を予定」
「アンドロイドかテメェ?!」
感情を失った青年と、故郷を焼かれた少女が、うだるように蒸し暑いトーキョーで出会った瞬間。
奪われたものを取り戻す絶滅戦争の序曲。その最初の一音は、砲声。