あらすじ
俺――桜井春樹は、現代の魔法使いである。
と言っても別に大きな事件が起きるわけでもない。
日常のちょっとしたことを解決するために魔法を使っていた。
――その時までは。
俺は幼馴染――中桐紬にフラれてしまった。
しかもこっぴどく。
仕方がない。
禁術〈常識改変魔法〉を使って、紬が俺のことを好きであることが当たり前だと改変してしまおう。
まあ、〈常識改変魔法〉は一度使ったら戻せないものの、そこまで大きな変化を与えることは出来ないけどね。
おそらく好きであることが当たり前だと改変しても、ちょっと好感度が上がるくらいだ。
例えばピーマンを食べられない子供に使っても、嫌いは治らず食べられるようになる、といったくらいの強度である。
だが、そのちょっとの好感度すらも欲しいくらいだし、思い切って使うことにした。
そしていざ使ってみたのだが……
「私は貴方のことが嫌いです」
常識は変わらず、常に嫌いだと言ってくる始末。
何故なのか。
そこまで俺のことが嫌いだったのか。
そして俺は考えた。
実は素直になれていないだけなんじゃね? と。
「俺の前でだけ素直になるように」
そう常識を改変した途端。
「春樹さん好きです大好きです愛してます。ああ、なんでこんなにも愛しているのに素直になれないのでしょうか。こんなにも愛しているというのに……。この間も告白してくれたのに断ってしまいました。私の馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿。あー、もう、なんてことをしてしまったのでしょうか……後悔してもしきれません……」
あれれ!?
紬の重たすぎる愛がダダ漏れになったんだが!?