あらすじ
私はブッダ。悟りを開きし者。
今、私の真下には一人の亡者がいる。名前はカンダタ。彼は生前に悪行を働いたが、一匹の蜘蛛を助けたこともわかっている。
私は彼を救おうとした。一本の蜘蛛の糸を垂らし、極楽へと上がって来られるよう。
だが、糸は途中で切れてしまった。彼が他の亡者を蹴落とすようなことをしたから。
それでももう一度チャンスを与える。彼も今度は反省し、仲良く他の亡者たちと共に蜘蛛の糸を登ってこようとした。
しかし、そこで事故は起きた。やはり所詮は蜘蛛の糸。亡者たちの体重に耐えられなかった。
気まずい。私が理不尽に亡者を弄んだように見られ、鬼たちからも『ドン引き』される事態になっている。
今度こそ大丈夫。次の蜘蛛の糸は絶対に切れない。そう思い、私は再び糸を垂らした。
だが、糸を掴む者はなかった。
信じてくれ! 私は本当に、亡者を救いたいと思っているんだ!
地獄では議論が開始される。私がなぜ、何度も蜘蛛の糸を垂らしては切ってみせるか。そこに『御仏』の意思があるはずだと。
地獄で開始される、『謎解き』はどこへ向かうのか。そして、私は信頼を取り戻せるのか。