あらすじ
三十代後半にして職を転々としていた下村崇(しもむらたかし)。
低身長で小太り、顔も良いとは言えない。
持ち前の処世術で何とか仕事をしていたが、心が弱いため抱え込みすぎてしまい仕事を転々としていた。
今日も酷使した体で自家用車を運転しながら帰っていた。
「どうしてこうなったんだろうかな…」
あの頃は良かった…などとは言えない人生を歩んできて何とか楽しかった記憶を思い起こしながら、呟いた。
堪えきれない悲しい感情が込み上げ、涙を流した。
「死にたいとは思わないけど…生きるのが辛い」
仕事は選ばなければたくさんある。
しかし、金が無い。家族はいない。希望も癒しも無い。
変わらない帰り道で、今日はいつものコンビニへ寄らずに帰ろうとしたときに対向車の眩しい光に目がくらむ。
「最近多いよな…ハイビームで運転する奴…」
強い衝撃と激しい揺れに少しだけ驚いた。
声も出せず…気持ち悪さだけが込み上げてくる。
(事故か…ドラレコ付けてないのに…)
そのまま意識が無くなり、下村崇はこの世を去った。