あらすじ
昼は静謐なビジネス・タウン、夜は歓楽街と摩天楼。
シアハニー市のロザー・シェレフ地区、俗称で〝地獄〟と呼ばれる場所に生を受けたデュランは、したたかに生きていた。
彼は、富裕層の少女アネモネに出会い、彼女に恋をする。
やがてデュランとアネモネは互いに思いを通わせておままごとのような交際を始めた。
しかし、アネモネが名門校へ進学する折に、アネモネの両親からの反対があり、二人は想い合っているのに半ば無理矢理別れさせられてしまった。
その後に悲劇が起き、それを切っ掛けに、デュランの人生は真っ逆さまに転落していく。デュランの母は誰からも看取られずにひっそりと死に、デュランはその原因となった父への復讐の念を滾らせ、それを実行する。
刑務所に入ったデュランは、マフィアからの勧誘を受け、出所後にマフィアの下位構成員となった。従順に命令を聞いていたが、ある日、アネモネに似た少女を死なせたくないという思いのあまりボスを射殺してしまう。
そして、デュランは、復讐の連鎖から逃れられず、腹違いの弟ネイサンに撃ち殺されて致命傷を負った。
腹部から血を流し、もう長くはないデュランが最期に訪れたのは、かつてアネモネと語らった懐かしい路地だった。
最期にアネモネと再会し、少しだけ語らうことのできたデュランは、アネモネの腕に抱きしめられながら微笑み、息を引き取った。
デュランの亡骸は、アネモネに引き取られ、埋葬された。デュランの墓の周りには、アネモネと同じ名前の花が植えられていた。