あらすじ
「俺、人を殺しちゃったんだ……」
高野は缶ビールを力なく床に置いた。うなだれたまま、缶の飲み口をじっと見つめている。
ちらっとおれを見た。何か言うのを待っているらしい。おれは仕方なく、口を開いた。
「……ふーん、そうなんだ」
「いや、軽いな」
「だって夢の話なんだろ? さっきそう前置きしてたじゃないか」
「そうなんだけどさ……」
電話で沈んだ声で宅飲みに誘われたときは覚悟を決めたが、聞いてみればただの夢の話で拍子抜けした。ただ、その夢がやけにリアルで続き物らしく、高野は本気で悩んでいるようだった。