あらすじ
「……え、お前」
夜の帰り道、スマートフォンを見ながら歩いていたおれは、ふと前方に人影を見つけて顔を上げた。そこに立っていたのは――。
「井上? おい、お前、井上だよな?」
「……よっす」
井上はそう言って、額の前で二本指を立てた。
おれは驚いた。それが井上らしくない挨拶だったからではない。もう二度と会えないと思っていた井上が、こうして目の前にいることが信じられなかったのだ。
「お前、どうやって帰ってきたんだ……?」
「どうやってって、まあ、普通に」
「普通にって……だってお前、宇宙人に誘拐されたんだよな?」