あらすじ

注:コンテスト出品の都合上、下記の紹介文にはネタバレを含みます。  何の変哲もない、一介の会社員である「俺」は、ある日の仕事帰り、ふらっと立ち寄った喫茶店で、ある一枚の絵画と出会う。果てしなく青い空、咲き乱れる向日葵、白いワンピースに身を包み、柔らかな笑みを浮かべる少女。不思議な魅力を感じ取った「俺」は、衝動的にその絵を購入してしまう。その場の勢いだけでの決断だったが、「俺」はその絵を買ったことを後悔はしなかった。ある日、絵を眺めていると、「俺」はふと昔のことを思い出し、物思いにふける。自分にはかつて好きな人がいたこと。その人のことをあまり思い出せないこと。それが苦しいこと。過去のある経験から、「俺」は人一倍他人を忘れてしまうことを恐れ、同時に自分が忘れられることも恐れていた。「俺」はそんな自分が、絵の中の少女と好きだった人を重ねていたゆえに、思わず絵を買ってしまったことに気がつく。そんな中、突然絵の中の少女が動くという事件が起こる。実は、向日葵畑を割るような道がその絵には描かれていて、少女の絵はその道に沿って小さくなることで、少し遠くに少女が移動したように見えさせたのだ。「俺」は動揺し、謎を解くため図書館を訪れるも目立った成果はなかった。「俺」の意に反して、絵の中の少女は日に日に小さく、すなわち「俺」から遠のいていく。「俺」は自分が少女を通して、かつて好きだった人を見ていたことを自嘲し、葛藤しており、絵に話しかけたり、絵に謝りかけたりしたが、絵は変化することを止めなかった。やがて全てを諦めた「俺」は、少女に別れを告げる。そして絵の中の少女が完全に姿を消す日が訪れたが、「俺」は少女を失った喪失感に駆られてしまい、思わず絵に拳を突き立てる。しかし、次の瞬間、「俺」は絵の中とも取れる謎の空間に吸い込まれ、少女に出くわし、少女は道の先で待つことを「俺」に告げる。現実に戻った「俺」は、忘れることを恐れず、忘れてもなお、それは自身の一部であると考え方を変え、世界との関わり方も変化する。少女は消えたわけではなく、道の先、消失点で彼を待っていると気づいたから。

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カクヨム
カクヨム2025/02/16
  • 現在の作品消失点には君がいる。