あらすじ
人間には感情なんて荷が重すぎた。感情、をつかさどる細胞はじつはそれだけで意思があり制御機能があり統率もできてつまりどういうことかっていうと、感情、っていうのはそれだけでひとつのいきものなのでした、じつは、ちゃんちゃん、めでたしめでたし、とっぴんぱらりのぷう、でした。
感情は犬や猫とか小動物にも宿ったけど、いちばんに人間に宿った。人間を、愛した。人間を発展させ、文明をつくり、ほかの動物たちから人間というものを分けたのもじつは感情のおかげだった。
人間と感情は寄り添って、二人三脚で生きてきた、のだけど。
人間には感情なんて荷が重すぎたのだ。
人間に感情が宿るのではなく、いきものとして、……生物として、人間は、感情に負けていくことになる……。
科学がかんからころんと軽快にひらけたとされる科学紀元のおおむかしから、人間は感情を研究して、利用しようとした、けれどもけっきょくなしたことと言えば――世界大戦をなんどかやって、ああ、反省しましょうねー、って苦笑いしたことくらいで。
……人間には、そう、感情なんて……。
人間は感情に立ち向かうことにした。殺す、殺すのだそれらを。
そしてさらなる進歩をなす、と。
それが、
「……本日、八月十五日ってわけ」
決定的な、日。
うわん。わん。……わんわんわんわんわん。
ラジオは、鳴ってる、しゃべってる、……やっぱり、泣いてる?