あらすじ
ダンジョンに潜ってモンスターを殴り、日々の仕事のストレスを発散するのが趣味の山門(さんもん)思水(しすい)。
世間はすっかりダンジョン配信が当たり前となっていたが、ネットの顔ばれの怖さと、配信する事へのめんどくささから、思水はダンジョン配信からは距離を置いていた。
しかしダンジョン配信が一般化したことで、モンスターからドロップする魔石の買い取りにすら動画記録を必要とする法整備がされてしまう。
すると、配信キャンセル界隈に属する思水は当然、魔石を換金することなど出来なくなってしまう。
そんな思水は、捨てるのももったいないからと、魔石を得る度に殴っては砕いていた。
魔石は砕くと爽快感とともに体力が僅かに回復するのだ。
しかし高額で取り引きされる魔石を砕く者など、思水以外には誰もいなかった。
そうやって思水が砕きまくってきた魔石には、実は砕けば砕くほど、その砕く動作の成長率に補正がかかる、誰にも知られていない仕様があった。
その事で、いつの間にかどのダンジョン配信者よりも力が強くなってしまっていた思水。
ダンジョンから外へと異変が広がり始めた世界で、知らぬまに最強となっていた思水は果たして本人の望むように、ネットで身ばれせずにいられるのか。
いま、思水の真のネットリテラシーが試されようとしていた。
・カクヨムにも掲載