あらすじ
これは地球の物語――「地球」という種から生まれた違う地球の物語。原初の惑星の気まぐれで数多に分かれ分岐した、もしかしたら在りえたか、在りえなかった世界の話。そんな世界の歴史の一幕に隕石は飛来した。
西暦2042年。誰も待ち望んでいなかった空からの来訪者は、地表に甚大な被害をもたらした。〈大絶滅(グレート・ダイイング)〉。かつて恐竜を絶滅へと追いやった大規模な初期化作業の再来だった。そんな天の気まぐれからも、人類はさもしく生き延びた。
その未曾有の大災害から17年後――2059年。南半球に位置するオーストランド大陸では『機械獣』と呼ばれる機械仕掛けの化物が大陸中を闊歩していた。
殺し屋という過去を持つ男フィドは、住処にしている商工都市ウォンドンより西の町――モルビットに修理屋の出稼ぎに来ていた。しかし、客に料金を踏み倒されたことで自棄になり、偶々町で流れていた『ある噂話』に興味を持ち、北の山脈に立つ寂れた塔へと向かってしまう。
塔に入ったはいいもの、そこを住処にしていた野犬の群れに追い回されて窮地に陥るフィド。そんな彼のことを救ったのはヘルメットを被った奇妙な怪人だった。
その怪人を置き去りにし難を逃れ、一人ウォンドンへと帰還した彼だったが、なんとその怪人――少女がトラックの荷台から現れ、彼に言うのだった。
「あなたの住処に案内しなさい」
その出会いこそが、後に待ち受ける過酷な人生のはじまりだった。
※随所で改訂作業を行っていますが、内容に変更はございません。