あらすじ
石出 幽。ーいしで かすかー
今回は、今作は檻に囚われた一人の天才作家。否、天災に見舞われた作家の話をしよう。
俗な言い方はあまり好きではないが彼女には霊感と呼ばれるものがあった。
それは霊が見えるんじゃない。霊に魅せられるといった巻き込み事故にも似た
不浄で無情な、いらない才能。
魅せてくるのはまちまちだ。
永遠にビルから飛び降り続ける女性。
切り落とされるたびに生え変わる指を見て泣き叫び続ける幼女。
マンホールから隙間なく出て蠢く青白い手。
郵便ポストの投函穴からこちらを覗く膿に埋もれた目。
それだけなら慣れているし、"ソレ等"が魅せてくるが故に彼女はホラー作家としての地位を確立していった。
今回の障りは夢。ただの夢だ。
夜な夜な魘される夢の内容はこうだ。
【外と内を隔てる鉄の檻と牢の内側から手招く白髪の老人】
ただそれだけだ。それだけだと思っていた。
家系を辿るまでは…。