あらすじ
西暦2100年、最終戦争後のカリフォルニア地下鉄駅跡。そこは、地下四階層に分断され、支配者層によって徹底管理された閉鎖都市だった。地上は汚染された死の世界――そう信じ込まされ、人々は息詰まるような秩序の中で生きていた。
最下層B4Fのスラムで生まれた孤児ニコ。彼の絶望的な日常は、一枚の色褪せた観光ガイドブックとの出会いで一変する。そこに写し出された、青い空と広大な「海」の写真は、彼に外の世界への強烈な憧れを植え付けた。
「海が見たい」――その一心で、ニコは仲間と共に、水と情報を独占する支配体制への無謀な反逆を開始する。B3Fの農場、B2Fの機械都市、そしてB1Fの偽りの楽園へ。各階層を隔てる厳重な警備と、時に非情な選択を迫られながら、彼らは階層の壁を一つずつ突破していく。
信頼と裏切り、出会いと別れを経て、ニコはついに支配者層が隠蔽してきた世界の「真実」に触れる。これは、閉ざされた地下都市の最底辺から、たった一つのガイドブックを道標に、自由と真実を求めて地上を目指した少年の、希望と反逆の物語。