あらすじ
「──成瀬くんには、あれで終わってほしくない、って思ったんだよ」
中学生の頃、遠巻きに眺めていた一人の少女に憧れて、しかし勝てない自分に嫌気がさして、少年は競技トランポリンの選手を辞めた。
しかし、自信を喪失し、卑屈で後ろ向きな性格を拗らせたまま、高校生になった彼は、進学した高校で配られた部活一覧表を見て、葛藤を、未練を、自覚してしまう。
──トランポリン部。
新設された部として、自分がかつて目を逸らしたスポーツが、待ち構えていて。
成り行きで部活体験に行くと、そこにはかつて、自分が憧れて、届くことも、視線が交わることもないとさえも思っていたあの少女がいた。
その少女は少年に、冒頭の言葉を紡ぐ。
それが、自分には似合わないと思っていた、青春の始まりの合図だった。