あらすじ
優秀な姉聖女と、出来損ないの妹聖女。
ナディアはその妹聖女の方だった。
潜在的な聖力は歴代一といわれても、強すぎる力を扱いきれず、聖女の本分でもある解呪も浄化も美味く出来ないナディア。
それとは対照的に何でもそつなくこなす姉──アマーリエは、聖女になるよりもずっと前の幼い頃から、ナディアの事を苛めていた。
姉は優秀で美しくて、そんな姉は上手にナディアを貶めるから、周囲の皆もナディアの事を出来損ないの無能聖女と馬鹿にする。
ナディアはそれを受け入れていた。だって、力をうまく使えないのは事実だから。
それでもナディアは聖女として正しくあろうと、努力する事をやめなかった。
聖力の強さだけで王子の婚約者となったけれど、そのイグナーツ王子もナディアを蔑む一人だった。
姉と懇意になったイグナーツ王子に婚約を破棄されたナディアは、イグナーツ王子が目の敵にしている辺境伯テオフィルの元に送られる。
テオフィルは魔獣討伐の際に瘴気を浴び、呪われてしまっていたのだ。
姉聖女をはじめとして、他の聖女でも解けなかった強い呪い。
辺境伯領にもナディアの噂は回っていて、テオフィルもナディアを「無能聖女」と蔑み冷遇する。
ナディアの力は弱々しく、種の形にも似た雫状でしか流れていかない。
すぐさま呪いを解くだけの力が、自分にはないと分かっていながらも、ナディアは目の前の呪いを解く為に、テオフィルの苦痛を和らげる為に、浄化の力を注ぎ続ける。
そんな日々を繰り返す中、テオフィルの態度が軟化していって──