あらすじ
大正時代。
血が苦手な医学生、藤村侃爾(ふじむらかんじ)は、幼いころ弟に大怪我をさせた女――シイと再会し、復讐を誓う。
しかシイは元々の神経衰弱(精神疾患)が原因で町の者から虐げられ、心身ともに傷だらけになっていた。
ある偶然、侃爾はシイの身投げ現場に立ち会う。
侃爾は咄嗟にそれを止め、
「一か月後にもっとよい死に場所を教えてやる。それまで俺に、お前の傷の手当てをさせろ」
と己の利益のために命じる。
無数の傷に恐怖を覚えながらも手当てを続ける侃爾。
シイとの関わりの中で見えてくる、彼女の過酷な日常や無垢な優しさ、深い愛情。下等で忌避すべき存在として見てきた者が、誰よりも心美しく生きる姿に知らずのうちに惹かれていく。
また、シイも侃爾が優しくしてくれることを嬉しく感じており――。
シイの秘密。侃爾の気持ち。
すべてが明るみになったとき、二人に幸せは訪れるのか?
【登場人物】
・藤村侃爾(20):医学生。堅物正義漢。血や傷が苦手。弟に怪我をさせたシイに復讐したい。
・シイ(18):神経衰弱と噂されひどい虐めにあっている不遇ヒロイン。心優しい。自殺願望あり。侃爾と同郷。
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差別的な表現が出てきますが物語上の演出として書いています。