あらすじ
「とりあえず集まる」会議、「空気で決まる」提案、「言ったつもりで伝わってない」連絡……
そんな仕事の理不尽に疲れきっていた、総務一筋45年の会社員・田所一(たどころ はじめ)は、ある日会議中に過労で倒れる。
気がつけば、そこは魔法とギルドと王国政治の異世界。
しかもなぜか、見た目は若返って25歳。
だが、転生者にありがちな魔法の才能や剣技の才能は一切なし。
あるのは、長年の現場経験と、PCスキル、そしてExcel・PowerPointを使い倒す「段取り力」だけ。
「でも、整ってないと落ち着かない性分なんで——」
異世界の人々が魔法に頼って非効率な会議や曖昧な方針で動いているのを見て、
田所は自然と「仕組み」を整えてしまう。
議事録、フロー図、業務進行表、チェックリスト。
そしてなぜか神格化される、かつての“愚痴メモ”——《マジで無理.txt》。
「“考えておきます”は、忘れるための呪文」
「会議とは、“誰が何をいつまでにやるか”を決める場です」
田所の言葉が、文書が、そしてその“整え方”が、ゆっくりと世界を変えていく。
剣も、魔法も使えない。
でも、構造でなら、戦える。
自分が目立たなくなるほどに、世界がスムーズに回るなら、それがいちばんいい。
これは、転生した“ただのおっさん”が、
段取りと資料だけで社会を整えていく、静かで熱い異世界改革譚。
伝説にならなくていい。
ただ、“回る世界”を残すために——