あらすじ
魔法国家アストラル帝国は、フローレンス家とルミナリエ家の二大侯爵家に支えられている。二家は毎年大きな祭典を仕切り、国民を喜ばせていた。しかし仲が拗れてから貴族間で派閥が生じ、それ以来祭典も行われなくなった。
魔法学園に入学したエリシア・フローレンスは、魔力量が少なく病弱な深層の令嬢。兄姉と比べられ、家のお荷物だと周囲から揶揄されている。それでもエリシアには学園に通う目的があった。初恋相手のリクス・ルミナリエと祭典を復活させること。それは、幼い頃に彼とした約束でもある。リクスと再会を果たしたエリシアだが、彼からは「今さらどういうつもりだ」と冷たい態度をとられる。それにはエリシアの姉・アメリアとの婚約破棄が絡んでいるようだ。学園でも生徒は派閥で分かれており、リクスに近付いたエリシアはそれぞれの派閥から嫌われ、孤立する。
リクスはある事件で魔力を失っていたが、生徒会長である第二皇子・アーセルの命令で学園に留まっていた。リクスの取り巻きである伯爵令嬢のフィオナだけは何かと絡んできて、エリシアはそれを喜ぶ。
三カ月後の学園祭で祭典を再現したいエリシアは、切り札を使いアーセルを脅す。諦めないエリシアについにはリクスも折れる。学園祭の特訓をしていく中で、エリシアの一途な想いにリクスも心を開き、二人は昔の関係へと戻っていくのだった。「どうしてそこまで祭典を再現したいのか」と問われたエリシアは、卒業したら政略結婚で嫁ぐことを明かす。その前にリクスとの思い出が欲しいことも。エリシアの想いを知ったリクスは、学園祭を成功させようと約束する。そんな中、リクスは少しだけ魔力を取り戻す。それは愛の力だと喜ぶエリシア。そしてそのことが広まると、派閥を超えて生徒たちがエリシアを応援するようになる。フィオナやアーセルの協力もあり、エリシアとリクスの祭典は大成功。後夜祭でエリシアはリクスから「結婚したいのはお前だけ」と告白される。エリシアはリクスにキスをすると、自身の魔力を全て渡した。これこそがエリシアの隠れた能力であり、真の目的だった。敵国ノクーと繋がり、黒魔術でエリシアの魔力を吸い取ってきた兄姉は、利用価値がなくなったエリシアを退学させ、すぐさまノクーへ嫁がせようとする。真実を知ったリクスはエリシアを救出する。魔力を失ったエリシアは、次期侯爵のリクスに相応しくないと思っていたが、リクスの真剣な想いに自身の気持ちを隠せなくなる。ノクーと繋がっていたフローレンス一家は投獄され、エリシアがその名を継ぐことに。秘めた祖父の愛も知り、エリシアはようやく前を向く。アーセルの魔法により魔力を取り戻し、晴れてリクスの婚約者になると、公の場で二人祭典を披露するのだった。これは、秘密を抱えたヒロインがヒーローを助けようと、周囲を巻き込みながら幸せを掴むお話。