あらすじ
「お前には魔法の才能がない」
父にそう言われて、アルカは公爵家を追放されてしまった。
その上、婚約者にも見限られ、才能がある兄に寝取られてしまう。
彼は唯一味方だった従者に見送られ、家を後にした。
悲しみと怒り、今後への絶望を抱きながら街を彷徨っていると、彼は地面に倒れている浮浪者を発見する。
食料を求める浮浪者に食料をプレゼントすると、浮浪者は絶景の美人になった。
さらに彼女曰く、自分は世界最強の大賢者なのだという。
助けてくれたお礼に1つだけ願いを叶えてやると告げる大賢者。
そんな大賢者に、アルカは弟子にしてくれと頼み込んだ。魔法の才能がない自分でも、大賢者の元で修行すれば人並み程度には魔法を使えるかもしれないと考えたのだ。
困惑しながらも、大賢者はアルカの弟子入りを受け入れた。
かくして、アルカは大賢者の弟子になったのだ。
大賢者の弟子になって1ヶ月が経つも、未だにアルカは魔法を上手く発動できなかった。
0に何をかけても0になるように、才能が皆無な彼ではどれだけ魔法のコツや修行法を教わっても習得できないのだ。
自身の無能さに絶望するアルカだが、ふいに大賢者の部屋の本棚に納められた古い本が目に入る。
その本を手にし、アルカは本を捲った。
「それは古代魔法について書かれた魔法書だな。現代では解読不可能な古代文字で書かれているから、ワシでも内容はさっぱりわかんねぇけどな」
「……僕、普通に読めます」
「ウソだろ!?」
何故か現代では解読不可能な古代文字を読み解けるアルカは、魔法書を解読して古代魔法を習得した。
魔法の才能がないと思われていたアルカだが、それは誤りであったのだ。
アルカは"現代魔法"の才能がないのであって、"古代魔法"の才能はあったのだ。
5年の歳月をかけて、アルカは魔法書に記された古代魔法を全て習得した。
大賢者ですら使えない古代魔法を習得できた唯一無二の存在、『古代魔法師』にアルカは成ったのだ。
古代魔法とは、"言霊"を司る魔法だ。
言葉に魔力を宿すことにより、発した言葉を現実のモノにする。
「おはよう」というだけで、太陽に魔法が作用して朝になる。「死ね」というだけで、絶対に相手は死ぬ。
つまり古代魔法とは、あまりにも強すぎるが故に、封印された魔法なのだ。
アルカは最強の古代魔法を手に、これまでの屈辱に満ちた人生を覆す。
これは才能がないと思われていた少年が、唯一無二の才能を開花させて最強に至る物語。