あらすじ
女は恋に振り回されていては駄目。
生き方があるとすれば、目利き。
明治生まれの祖父母が大正に関東大震災で再会したのをきっかけに恩義を感じたしば桜は囁くことで応援してきた。
明日の身の振り方が分からないとき、背中を押してくれたのはしば桜だ。
しかし、実際は人が人として切り開かなければならないものだろう。
ヒロイン生原櫻絵(いくはら・さえ)がときとして強かにも生きられたのは、周囲の人々のお陰だ。
女の生き方は男とは違う。
男は子どもを産まないが女は目の前でお腹に幸せと不幸せを宿す。
理解ある夫と疲れた母との間で私は生きていく。
明治、大正、昭和、平成、令和と我々の中に根付いていたものがあるのではないか。
それは、ささやかに咲くしば桜も同じだろう。
女系の系譜に踊らされることなく、明日をみたい。
◆主な登場人物
生原フク(いくはら・ふく):櫻絵の祖母。お針の才能がある。明治三十五年生。
生原元(いくはら・はじめ):櫻絵の祖父。国鉄にお勤め。明治三十四年生。
持田和(もちだ・かず):櫻絵の伯母。梨園に嫁ぐ。昭和元年生。
生原さくら(いくはら・さくら):櫻絵の母。いつも身近にいる。昭和十九年生。
生原志朗(いくはら・しろう):櫻絵の父。逞しく思い遣りがある。昭和十九年生。
生原櫻絵(いくはら・さえ):ヒロイン。志朗とさくらの一粒種。母と濃密な関係にある。昭和四十六年生。
橘寧(たちばな・ねい):櫻絵の別れた彼氏。仔犬のように優しい。昭和四十一年生。
紫堂航丞(しどう・こうすけ):櫻絵と同じ上野美術大学だった。昭和四十七年生。
梅芳(うめか):櫻絵の長女。寡黙でドライに見えがち。平成十八年生。
美桜緒(みさお):櫻絵の次女。動物園が大好き。平成二十年生。
太田総一郎(おおた・そういちろう):しば桜に佇むシルバーグレー。昭和十一年生。
*時代が移行いたしますので、生年を表記いたしました。
◆性描写は枕をかわすことではありません。
◆毎12時、19時一日二話更新いたします。
◆よろしくお願いいたします。