あらすじ
五行の国は、各々が相生(そうせい)と相克(そうこく)の関係でなりたっていた。木国、火国、土国、金国、水国。各々が支え合い、干渉することで均衡を保っていた。
しかし十三年前、水の国が滅んだことにより、火国を抑える水がなくなり、火国の権力が高まっていた。
水蓮は、土国に暮らす十八歳の少女だ。義母や義妹から虐げられて生きてきた。義妹には土の加護があり、東宮妃に決まっていた。
加護とは、土国なら豊かな土を生み、火国なら火、木国なら木、金国なら金、水国なら水を生み出す力を言う。加護で生み出された物には、祝福が宿り特別な力を持つ。
何を隠そう、水蓮には水の加護がある。その日水蓮は義妹の己花(きか)をお茶会に送り届け、帰り際に『もうひとりの東宮』と出会う。土国の東宮は双子で、水蓮が出会った兄東宮は無能と嘲笑われる存在だった。
水蓮と兄東宮――灰夏(はいか)が出会う時、運命が回り出す。
水蓮を妃とする灰夏。そして水蓮は、何者かの企てと謎を解き明かしていく――