あらすじ

「あらすじ」  津田紫音は、自分を育ててくれた祖父を亡くし落ち込んでいた。だが、いつまでも落ち込んではいられないと、祖父が営んでいた喫茶店を貸しに出すことにした。借主はすぐに見つかった。イギリスから来日したその借主はレイン・タチバナと名乗り、借りた喫茶店をワインバーとして営業すると言った。  紫音は疲れて眠っているレインの耳が獣の形になっているのを発見してしまう。レインは妖狐だった。彼は二百年近く生きていると言い、このことは誰にも言わないで欲しいと怯えた様子で紫音に言った。過去に怪我をした際に日本人の夫婦に助けられたことがあり、それがきっかけで日本で店を開くことを決めたとレインは言った。妖狐であることを隠して人間として生きるレインはきっと孤独を抱えているだろうと思い、紫音はそれを承諾する。  レインは料理が不得意だった。バーでは料理も提供すると決めていたレインは困ったが、客として訪れた同じ妖狐であるノアが助けに入ることで話はまとまった。自分がレインを一番に助けられなかったことに対して、もどかしい気持ちを紫音は感じた。レインの隣で料理を作るのは自分でありたいという気持ちを抱くようになる。  ある日、紫音の友人である華の就職祝いのパーティーをバーで開くことになった。その際に華に、紫音はレインに恋をしているのではないかと言われる。同時に、祖父を亡くして落ち込んでいたばかりの紫音の心をレインが動かしているのではないかと言われる。紫音は自分がレインに対して恋心を抱いていると自覚した。  レインもまた、紫音に恋心を抱いていた。ふたりで街をデートした際に、レインは紫音に告白をした。それを紫音は受け入れる。だが、人間と妖狐では生きる速さが違うことに紫音は悩む。そんな紫音に、同じように歳を重ねるには、性交をして精液を得ればレインの力を得ることが出来るとノアが教えてくれた。そうすれば長い時間を一緒に過ごせると知った紫音はそれを望み、紫音とレインは身体を重ねた。この日から紫音はレインの力を得て妖狐になった。紫音はそのことに強い喜びを感じた。  華の助言もあり、紫音は調理師専門学校のオープンキャンパスに心配をしてついて来たレインと共に参加した。そこで、祖父がそうしていたように、料理の腕を上げて多くの人々を笑顔にしたいという目標が出来る。それに、一番近くに居る恋人のレインを料理でもっと笑顔にしたいと思った。  一緒に過ごす時間の中で、ふたりは愛をより深めていく。いつか妖術を教えると言って張り切るレインを、紫音は愛おしい感情で見つめていた。  紫音はバーの従業員として、レインのそばで働いている。春が来れば、自分は専門学生になる。そして、いつまでもレインの隣に立ち、ずっと一緒に居たいと思っている。  バーでは三人の妖狐が働いている。そこではいつまでも、心地良い淑やかな時間が流れているのだった。

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カクヨム
カクヨム2025/03/10
  • 現在の作品英国妖狐はワインを嗜む