あらすじ
うちの学校に留学生としてやってきたのは、息をのむほど美しいドイツ人の女の子だった。
透き通るような白い肌、まるで雪のような真っ白な髪、そして鮮やかな緑の瞳。
そのあまりにも完璧な姿に、誰かが「北欧の天使(Nordic Angels)」なんて呼び名をつけたほどだ。
ただし、日本語はまだ勉強中の彼女。
そこで、母がドイツ人で、ドイツ語がそこそこできる俺が彼女のサポート役に抜擢された。
初対面の挨拶で、クラスの女子が「よろしくね、エミーちゃん!」と明るく声をかけたら、彼女は平然とこう返した。
「Reden Sie nicht so beiläufig mit mir. Du Affenbastard.」
簡単に訳すと、「気安く話しかけないで。この猿野郎が」って感じ。
「ねえ、今なんて言ってたの?」とクラスメイトに聞かれ、俺は咄嗟にこうフォローした。
「みんなと仲良くしたいけど、ちょっとシャイだから慣れるまでそっとしておいてほしいんだって!」
こうして、天使のような見た目とは裏腹に、悪魔みたいに辛辣な本性を隠し持つ彼女の「翻訳係」として、俺の波乱万丈な日々が幕を開けたのだった。