あらすじ
あらすじ:心臓の声 - みこととタカシの物語
高校生のタカシは、ある日突然、原因不明の体調不良に襲われる。検査の結果、彼の心臓に深刻な問題が見つかり、心臓移植が必要となる。適合する心臓が見つかるまでの不安な日々。そして、ついに見つかったドナー。それは、不慮の事故で亡くなった、同年代の少女、みことの心臓だった。
手術は成功し、タカシは新たな命を得る。しかし、それは同時に、見知らぬ少女の魂の一部を宿すことでもあった。退院後、タカシの身体には、奇妙な変化が現れ始める。頬はふっくらと丸くなり、女性的な嗜好へと変わっていく。そして、夕焼けを見るたびに、心臓を通して、みことの感情が伝わってくる。
戸惑いながらも、タカシは、みことの存在を受け入れようと試みる。彼女の日記を読み、彼女の生きた証に触れることで、みことの想いを理解しようとする。しかし、その過程で、タカシは大きな壁にぶつかる。
学校で、タカシは、クラスメイトのユウキから好意を寄せられる。生まれて初めての恋心。しかし、自分がかつて男子だったこと、そして、みこととしての自分。様々な感情が入り混じり、タカシは混乱する。ユウキからの告白に、どう答えるべきか。自分は、本当に「みこと」として生きていく覚悟があるのか。
タカシは、拒絶と受容の間で揺れ動きながら、自分自身のあり方を問い始める。そして、みことの想いを胸に、彼女の生きた証を大切にしながら、未来へと歩き出す決意をする。
これは、心臓を通して繋がった二人の魂の物語。孤独を乗り越え、愛を知り、自分自身を見つけ出す、繊細で、切なく、そして温かい、再生の物語である。