あらすじ
幼稚園から十二年間、いつも一緒だった幼なじみの佐倉陽花と望月星奈。高校二年生の春、陽花は星奈への「友情とは違う感情」に気づき始めていた。
明るく人気者の星奈と、内向的で本好きな陽花。正反対の二人だが、いつも一緒にいる特別な関係。しかし、陽花の中で芽生えた恋心は、長年の友情を壊すかもしれない不安を伴っていた。
「友達以上、恋人未満」という微妙な距離の中で、陽花は自分の感情と向き合おうとするが、なかなか言葉にできない。体育の授業で星奈を見つめる視線、図書室での肩の触れ合い、雨の日の相合傘、誕生日のプレゼント交換...日常の些細な瞬間に、少しずつ深まる感情。
一方、星奈にも秘密があった。「好きな人がいる」と言いながら、その相手を明かさない彼女。その謎めいた態度に、陽花の不安は募っていく。
文化祭の準備を通して二人の距離は縮まるが、星奈に憧れる後輩の登場で新たな障害が生まれる。「友情を失いたくない」という恐れと「本当の気持ちを伝えたい」という願望の間で揺れる陽花。
クリスマス、そして冬の季節を経て、二人の関係は少しずつ変化していく。しかし、バレンタイン前日に目撃した光景が、陽花の心に深い亀裂を生む。星奈への信頼と疑いの間で葛藤する陽花。
果たして二人は「親友」という安全地帯から一歩踏み出し、本当の気持ちを伝えることができるのか。友情と恋の境界線を超える勇気を持てるのか。
青春の繊細な感情の機微を丁寧に描いた、甘くも切ない初恋物語