あらすじ
大学生・四ツ角志澄(よつかどしすみ)は、とある理由からずっと、髪を伸ばし続けている。ある日大学構内で声をかけられ、一つ上の先輩でホラー研究部の部長・木島径(このしまこみち)と『友達を召喚する儀式』を行うことになる。その際に、髪を伸ばすことで隠していた首筋の傷から採取した血を使ったことで、怪異・徒狩烙理(とかりらくり)が召喚されてしまった。初めは威圧的な態度を取っていたが、弱点の祖母から帰って来るなと言われ、しぶしぶ矛を収める。さらに、部室の掃除用具を持ち帰っていた先輩・帚木祥(ははきぎしょう)が来たことで、志澄の小学校時代の親友・飆(ひょう)が彼の弟だと発覚する。飆が志澄を探していると知り、会うことになるのだが、先に飛び散った血で汚れた身体を洗うため、銭湯に向かう。そこで、祥の旧友・久々利寿敬(くくりひさたか)と遭遇する。彼はヤのつく危険な団体のなかでも、祥よりかなり強い部類だった。久々利が蹴り飛ばしたおじさんを助けようとしたところで、径の抱える狂気の片鱗が垣間見える。その後、久々利とも合流し温泉に入るのだが、そこで径が志澄に、自らの過去について話してくれる。目の前で飛び降りた親友・純(じゅん)のことを。ホラーが好きになったのも元々、彼女との出会いが理由だという。一命を取り留めはしたのだが、好きだったテケテケの本を渡したことで、変形した足を揶揄されていると勘違いされ、その後彼女が死んだ、ということを。その後飆にみんなで会いに行くと、志澄の亡くなったはずの祖母がいっしょにいた。久々利と飆が意気投合し、それぞれの過去が各々語られる。女が嫌いで、それゆえに、子どものように無邪気な烙理に憧れた祥。次に、径が純ちゃんとの思い出に後ろ髪を引かれ、去ろうとしたところで、志澄が想いを伝え引き留める。最後に、飆の、志澄との絶交のきっかけが語られ、烙理が志澄の、流産した弟「だった」という事実が、祖母の口から明かされる。それらを話していくことで、だんだんと、皆は意気投合していく。そんななか、席を外した祥と烙理が、志澄の母と偶然会う。烙理が弟を奪ったと激昂する母により、烙理が消えかけてしまう。元はこの世に存在しないはずだった彼は、志澄を「兄」と認識してしまうことがタブーに近かった。でもなんとか、志澄と径の、友達を召喚したんだから僕たちは友達だ、消えなくていい、という説明で事なきを得る。祖母の説得と、多くの友達に囲まれて幸せそうな志澄を見て、母は心を改める。その後、径と志澄は純の親族のもとに向かい、かつての事件の真実を知る。彼女は径のせいで死んだのではなく、むしろあの日のことを謝ろうとしていたのだった。志澄の傷は特殊な方法で髪を切れば治せるとも分かり、ふたりで未来に向けて歩き出す決意をする。一年後に全員で集合し、記念写真を撮りながら、この友情がずっと続くといい、と志澄は思うのだった。