あらすじ
王立魔法学園。
貴族の令息令嬢が多く通う社交界の縮図においてシャルリアという一般的な平民の少女というのは異物以外の何者でもなかった。
大多数の生徒は会話する価値もないと捨て置いているのだが、アンジェリカ=ヴァーミリオン公爵令嬢だけは違った。
「あら。あらあらっ! 相変わらずひとりぼっちですのね、シャルリアさんっ」
毎日のように嫌味たっぷりに絡んでくるほどには嫌われているのだろう、とシャルリアはそう思っていた。
平民だからとこうも嫌われることにも、毎日嫌味を言われることも、鬱陶しいとは思っていたが、平民が公爵令嬢相手に下手なことを言えばそれだけで『不慮の事故』で死にかねない。
卒業まで耐え凌げばいい。
アンジェリカ=ヴァーミリオン公爵令嬢とは住む世界が違うのだから、卒業さえしてしまえば絡まれることもなくなるのだから。
だから、想像もしていなかった。
「本当はあっ、もっとあの子とぉっ、シャルリアちゃんと仲良くなりたいだけなのにいぃっ。どうしてうまくいかないんですかぁああっ!!」
父親が経営する小さな飲み屋にやってきたアンジェリカが酔いに酔っ払ってそんな本音を漏らすようになるとは。
──ちょっと服装や髪を変えただけで目の前の『店員さん』がシャルリアだと気づくことなく。
※小説家になろうにも投稿していますが、少し改変しています。