あらすじ

雪に閉ざされた北海道の古い家。余命わずかな老絵本作家・早瀬誠一(74歳)は、十年ぶりに帰郷した娘・凛(34歳)と向き合うことになる。 かつて人気を博した『小鳥の旅立ち』シリーズの作者である誠一。妻・美和の死をきっかけに娘との間に亀裂が生じ、十年の月日が流れた。凛は東京でグラフィックデザイナーとして新たな人生を歩み始め、今は一人で子供を産む決意をした妊婦だ。 誠一が凛に提案したのは、二十年前に中断していた未完の絵本『春に還る』の完成だった。「小鳥が家を離れ、冬を越え、春に帰る物語」——それは凛自身の物語でもあった。 言葉にするのが苦手な父と、過去の罪悪感を抱える娘。二人が絵本という媒体を通して、少しずつ心を通わせていく姿を、四季の移ろいと共に描く心温まる物語。 北海道の厳しい冬から始まり、雪解けと共に訪れる春の光。生命の終わりと始まりが交錯する中で、三世代に渡る家族の絆が紡がれていく。 最も大切な思いほど、時に言葉にならない。 だからこそ、伝えなければならない。

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カクヨム
カクヨム2025/03/23
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