あらすじ
「――杏奈の正体は、エルナディア王家の血を受け継ぐ人にして、新国王アルベルト陛下の異母妹である――アンナ王女なの」
バイト漬けの貧乏高校生・氷室孝太郎はバイト帰りのある日、タチの悪い酔っぱらいに絡まれていたクラスの文学少女、黒瀬杏奈を助けたことで、また、共通の趣味が読書であったことから仲良くなる。
だが孝太郎はふとした拍子から、黒瀬杏奈の黒髪はカツラによるものであり、本当の髪色が銀髪であることを知ってしまう。その事実を知ってしまった孝太郎は、黒瀬杏奈の友人である佐古有希により、半ば拉致同然で身柄を拘束された末、彼女から黒瀬杏奈の正体を告げられる。
そう、このザ・文学少女と言える地味な佇まいのクラスメイトは、実はヨーロッパにある小さな王国、エルナディア王国の国王の隠し子であるアンナ王女であり、その地味な外見はほとんどが嘘で、カツラとコンタクトを外せば銀髪碧眼の、壮絶なまでの美貌を持つ美少女であったのだ。
かつて世界中の要人暗殺や特殊工作を担い、世界史の影に暗躍したことで「血塗られた王家」と呼ばれ怖れられたエルナディア王家には敵も多い。その存在が公表されていないアンナ王女の存在はエルナディアにとっては最高国家機密であったため、その正体を知ってしまった孝太郎は、機密保持と監視の名目で、黒瀬杏奈とひとつ屋根の下で同居することになってしまう。
だが、その正体を知ってもなお黒瀬杏奈を厭わず、それどころか彼女の真実を受け入れ、真剣に向き合おうとする孝太郎に、いつしか黒瀬杏奈も不器用に想いを寄せ、偽装恋人の間柄でありながら二人は本当の恋人のようになってゆく。
しかし、ひとつ屋根の下で幸せな日常を送る氷室孝太郎と黒瀬杏奈の恋路には、国家機密という、あまりにも強大な困難が待ち受けていて――。