あらすじ
チートパワーを覚醒させた主人公に敗北し、破滅する、史上最強の極悪貴族。
どうやら俺は、そんなキャラクター、ゼノス・オールヴェインに転生したらしい。
そんな俺が取るべき行動は――
実力で破滅フラグをブチ折りにいく、わけではなく。
これまでの人生を反省して善人になる、わけでもない。
主人公を覚醒へと導き、全ての問題事を彼に押し付け、最終的に、自分はモブとして平穏に暮らす。
破滅フラグなどはガン無視。
もしも運命が牙を剥いたなら、絶対的な力で叩き潰す。
そう決意した俺は、主人公を覚醒させるために必要な行動、悪役ムーブを実行し――
極悪非道の限りを尽くした結果が、これだ。
「お慕いしております、ゼノス様っ!」
「ゼ、ゼノス様のためなら、わたしはなんだって……!」
原作未登場の奴隷メイド達が、なぜだか懐いてきて。
「君の素直でないところも含めて、私は好ましく思うよ」
「しょ、将来的には……わたくしの婿として、お迎えさせていただきますわっ!」
原作ヒロイン達もまた、なぜだか寄り固まってくる。
それだけでも理解不能だというのに、いつしか「影の聖者」と称えられるようになった。
……俺はただ、悪役ムーブをしていただけなのに、どうしてこうなったのだろう?