あらすじ

上松 温輝は中学を卒業したら漁師になるつもりだった。 千葉県南房総市で暮らす少年は、代々伝統的な見突き(舟から箱メガネで海底をのぞき、銛で魚介を突く漁法)の漁師の子として生まれた。 父、賢次も洩れなく継いだのだが、最近オネエに目覚めてしまい、稼業を投げ出して夜の商売へとシフトしてしまった。 温輝が受け継いだのだった。 中学へ通うかたわら、早朝、内房へ舟で漕ぎ出し、一人、見突き漁に励む。 本当はクラスメイトのみんなや、憧れの恩座 百寧とともに学校生活を送りたいし、高校に進学したかった。ヤングケアラーゆえの鬱屈した悩みを抱えていた。 百寧のことが頭から離れない。漁をしながらも彼女のことが箱メガネの向こうに重なる。 中学3年の2月14日だった。大寒波が南房総を襲うなか、一人漁に出ていた。 夕方、雪の降るさなかに港へ帰ってきたとき、そこの待っていたのは百寧の姿だった……。 ※本作は楠結衣さん主催・香月よう子さんを追悼する『バレンタインの恋物語企画』の参加作品です。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/03/16
  • 現在の作品天使が通る【見突き漁師の鬱屈した恋】