あらすじ
気がついたら、本棚の前に立っていた。
一人の女の人が自分の目の前に立った。
「お初にお目にかかります。私はここで司書をしております。イノウエと申します」
ぺこりとお辞儀をした。
「ここは生死の書庫。あなたの人生を記した本がここにあります。ページをめくり、これまでの歩みを振り返ってください。そして最後に、一つだけ選んでもらいます。『生』か『死』か」
イノウエさんは本を差しだした。
この書庫には、人生に絶望し、生死の狭間に立たされた者たちが訪れる。彼らは自らの過去を振り返り、最終的な選択を迫られる。
たとえば、ユウキ ヒイロは、職場の上司からのパワハラに耐えかね、電車に飛び込んだ。書庫で過去と向き合った彼女は、謝罪すべき人の存在を思い出し、新たな道を選ぶ。
マセ ユウタは、親の期待に押しつぶされそうになりながらも、勉強を続けた少年だった。模試の結果に絶望し、自ら命を絶とうとしたが、書庫で彼にとっての「成功」とは何かを問い直すことになる。
ヤマモト アオイは、思い人に拒絶されるという衝撃の末、衝動的な罪を犯してしまう。書庫での選択が、彼女の歪んだ愛情をどう変えるのか。
ササキ ユウスケは、世間の誹謗中傷に晒され、全てを捨てた人気俳優。彼の名声の影に隠された本当の思いとは何だったのか。
ササガミ ゲンキは、両親を亡くした孤独な少年。彼にとって「死」とは、ただ愛する人に会うための手段だった。
そして、ミヤシタ トオルは怒りに満ちた殺人者。彼が書庫で見るのは自らの罪か、それとも救いか。
「生と死を決めるのは、あなた自身です」
イノウエの声が静かに響く。
本を開いたとき、彼らは何を思い、どのような道を選ぶのかーー。