あらすじ
王国の辺境に位置する小さな村で年に一度の祭の準備が進められていた。しかし、その華やかな祭りの日、恐ろしい殺人事件が起きた。
犯人と目されたのは、殺されたギョームと同居する長男のエミールだった。
エミールは強く無実を訴えたものの、確実な証拠がなかったため村の長老たちは判断を下せなかった。そこで司祭アントンの提案で、エミールに対する「神明裁判」が行われることとなった。これは神の意思をもって被告の潔白を示すという、この村の修道院に伝わる「火掴みの試練」であった。
多くの村人たちが見守る中、エミールは目隠しをされ、震える手で炭火の上に置かれた鉄の棒を掴んだ。
「神よ、どうか私をお救いください…」とエミールは小さく呟き、鉄の棒を握りしめたエミールがゆっくりと手を開くと、彼の手には火傷一つ見当たらなかった。村人たちは息を飲み、次の瞬間、驚きと歓喜の声が修道院に響き渡った。
「奇跡だ……神は彼を赦したのだ!」
だが、本当にエミールは無実であったのだろうか。もし彼が無実であれば、本当の犯人は誰なのか。
王都の犯罪捜査官ダリーのもとへ村から一通の手紙が届き、ダリーは村へ捜査に出向くことを決めるのだった。