あらすじ
「この虫ケラが! 俺に触るな!」
婚約者カタルシスに突き飛ばされ、婚約破棄を言い渡されたネリームーア。しかしそのネリームーアに駆け寄り助け起こしたのは、なぜか婚約者の傍らに寄り添っていた絶世の美女だった。
「ずっと貴女のことが好きだったの。もう婚約者がいなくなったなら、どうかアタシの婚約者になって!」
カタルシスが夢中になっていた美女は、ネリームーアの最推しの義兄、ディートハルトが化けた姿で!?
ひょっとして、わたしの婚約を壊すために、カタルシスをたぶらかしていたの!?
◇◇◇
日本に生きていた虫好き農学生・柚希が生まれ変わったのは、貧乏伯爵家の一人娘、ネリームーア。前世の最推しで悪役の、ディートハルト・ローゼワルテ辺境伯の、原作にはいないはずの義妹だった。
ディートハルトは『アリスフォード戦記』のダーティヒーローで、最愛の姉を王族に利用され惨殺された復讐のため、国を滅ぼし乗っ取り、最終的には絶望に呑まれ自身の命まで絶ってしまうという悲劇のキャラだ。
ネリームーアが記憶を取り戻したのは、物語が始まる前の子ども時代。
「存在しないはずの妹、モブ以下のわたしなら、ディートハルトの『悲劇の姉』の身代わりになっても、何も問題がないんじゃない!? そうしたら、ディートハルトは国を滅ぼす必要もないし、大好きなお姉さんとずっと一緒にいられる。ディートハルトの幸せはわたしが絶対に守ってみせる!」
そう心に誓った四歳のネリームーアは、『悲劇の姉』の代わりになれるよう動き始める。
ところが偏った虫知識がやたら豊富なネリームーアは、意図せず無双することになって……?
どうみても危ない案件に嬉々として突っ込んでいくネリームーアと、そのネリームーアを実は重く愛しているディートハルトのすれ違いラブストーリー。