あらすじ
風に導かれるまま舞い降りた妖精——フローライト。
彼の片翼(片羽)は夜の闇を宿し、もう片翼(片羽)は欠けた月のように不完全だった。
しかし、その不完全さこそが、彼を自由へと導く鍵だった。
古びた巣の中で出会った精霊「オリジン」が語るのは、忘れ去られた過去と、新たな旅立ちの意味。
「お前は、この殻から生まれたのだ。」
己の起源を知った時、フローライトは問いかける。
なぜ世界は対称を求めるのか。
なぜ私は、不完全なのか。
これは、風に運ばれるままではなく、自らの意志で飛び立つ者の物語。
「完全」ではなくとも、美しく生きるために——。
*登場キャラクター*
⚫︎フローライト
夜空と月の欠片を宿した妖精。左右非対称の羽を持ち、自身の不完全さに疑問を抱くが、オリジンとの対話を通じて「未完成であることの意味」に気づいていく。風に乗るのではなく、自らの意志で飛ぶ道を選ぶ。
⚫︎オリジン
古びた巣の奥に佇む精霊。かつては元石さん(その前は石さん)と呼ばれていた。フローライトの過去を知る者であり、彼に「不完全であることの価値」を語る。静かで威厳のある声を持ち、まるで長い時を生きてきたかのような知恵を持つ。