あらすじ
雨の日曜日、大学生の直人が偶然立ち寄ったカフェで耳にした一曲の歌。
「この街の片隅で ひとり見上げる空は/誰かと見る空より ずっと青く見えるの」
無名のシンガーソングライター・空咲シオリの透明な歌声と素直な歌詞に心を奪われた直人は、彼女の音楽に自分の内面を映し出す鏡を見出していく。
インディーズ時代から応援し続け、メジャーデビュー後の握手会で初めて対面した二人。空を見上げることが好きという共通点を発見し、わずかな時間の会話と温かいDMのやり取りに、直人は小さな希望を抱く。
その一週間後、シオリのSNSに新しい投稿が上がる。彼女の言葉と写真に映る表情は、直人の知らない彼女の一面を垣間見せていた。
「きっと、この世界で僕だけが君を知らない」
同じ空の下で、彼は彼女の歌声に耳を傾け続ける——。