あらすじ

私は自分自身の心身を保つためには厳密な言葉が不可欠であると痛感した。私は、私と同じような体験をしている人物を歴史上に探した。私が体験した状態を理解できるものは身近には存在しなかった。 私は最も不快というのも不快な人間界に自ら踏み込む羽目になったのである。 言葉の世界に踏み込むのに若干の不安はあったが、覚悟して踏み込んだ。まず、骨格として哲学、肉付けとして心理学、対人間に対する処し方は文学と。店の仕事をしながらである。私は近所の書店を片っ端に見て回った。私の直感力と高速で活動する思考は書物の背表紙に書かれているタイトルと著作の頭と最後の数ページを読むだけで瞬時に理解した。  私は哲学者ニーチェの『ツァラトゥストラ』(手塚富雄訳、中央公論社1973)が自分の極度に緊張した日々の意識状態のバランスを保持するのに適していた。ニーチェの翻訳された著作はほとんど読破した。哲学者はプラトンやアリストテレス、ヘーゲル等々、山頂にいる存在を主に読む。他はその亜流に過ぎない。

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カクヨム
カクヨム2025/01/15
  • 現在の作品「内的神秘体験」