あらすじ
私立影立高校に入学した有馬里野は、ひとつの野望を胸に秘めていた。
それは【絶対に女の子と仲良くなってみせる】という、一大スペクタクル極まりない野望であった。
なぜなら有馬は女子と会話をしたことがなかったからだ。
そう、ただの一回も会話をしたことがなかったのである。
このままでは自分の人生がヤバい、女子のぬくもりを知らぬままにスクスクと成長し、たった一人で受験戦争を乗り越え、就職し、昇進し、そして仕事でミスを犯して失職し、退職し、気づけば子供部屋オジサンとなり果てる自分が想像できてしまうではないか。
変えなければならない。
このままでは自分は闇バイトに手をだす愚か者になってしまう。
馬鹿で間抜けでとんまで間抜けで、目の前のことすら考えられずに闇バイトに手を出し「えへ、懲役五年っすか?」とのたまい、「え、無期懲役?」とバカ面を世に知らしめてしまう阿保になってしまうではないか。
友と呼べるライバルもいないまま、皆が公立高校へと進学していくさなか、バカ高い入学金に両親を泣かせながらも、一人私立高校へと進学したのには訳がある。
高校でリセットしてみせる。
隣の席に座る女子と仲良くなってみせる。
そして迎えた登校初日。
有馬は隣に座った美少女へと、ひたすらに声を掛けた。
それまでの自分を払拭するべく、TPOをわきまえずに声を掛け続けた。
仲良くなり、まるで将来の伴侶と出会ったかの如く、喋りかけ続けたのだ。
結果。
彼女は不登校になった。
有馬君の物語は、ここからスタートする。