あらすじ
「この結婚はきっと、幸せになれない……」
大正九年。
華族令嬢の橘万葉子は悪魔と呼ばれている骨董商、古御門物見男爵と結婚した。
すべての始まりは、父、橘実明に殺人の容疑がかけられたことだった。
「この世界は悪に満ちている。しかし正義は必ず勝つんだよ」
父は無実を訴えながら亡くなり、家は没落の一途をたどる。
空想好きだった令嬢の万葉子は、現実の猛烈さに打ちのめされ、やがて博多の骨董商、古御門物見に嫁ぐことに。
彼は男爵であると同時に、周囲からは悪魔と噂されている人物であり、しかし無念骨董(レグレットアンティーク)と呼ばれる、人間の無念に関わる骨董品を商う青年であると同時に、無念骨董に関わる謎を解き明かす名人でもあった。
「この骨董品(アンティーク)は、凶器だ」
古御門からの穏やかな愛が注がれ始め、幸せを取り戻していく万葉子。
そして彼女もまた、持ち前の空想力で古御門に劣らぬ推理力を見せ始める。
やがて夫婦は、かつて橘家を襲った無実の謎と再び向き合うことになるのだが――!?