あらすじ
【あらすじ】
他人との関係をうまく作れない「堀川歩(ほりかわ・あゆみ)」は、父親の病院を継承するために、地方の医学部に進学した。
大学生活も淡々と過ごすつもりだった歩は、入学時説明会で一人の同期生「佐倉慧(さくら・さと)」と知り合う。彼女は歩の心に深く入り込み、すぐに彼女は、歩にとって友人以上に大切な存在となる。
しかし慧は大学中の人気者で、歩は学生の中の異分子。歩は距離を取ろうとするが、慧と親しくなりたい人間からの嫌がらせが続く。
それが高じて、歩は大怪我をさせられ、留年することに。
慧はそれを知っていてなお歩のそばを離れず、今度は慧の目の前で歩は怪我をする。
歩は二度の大怪我により、記憶障害になり、他人との関わりがさらに困難になる。
学年が離れた歩と慧は、以降はほとんど接点がないままに別の人生を歩むことになる。
それから二十数年。
歩は結婚し、大学から離れた地方都市で保健所の医師として働いていた。
公務員としてゆっくりと暮らす中で、大学生の頃のことはすっかり忘れていた。
しかし新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、心身を休める時間が取れなくなった。
そんなある日、慧から歩に電話がかかってくる。
「会いたい」と言い、急にやって来た慧は、大学生の頃と変わらない態度で歩に接する。
慧の真意が分からず、記憶も曖昧で、歩は混乱する。
しかし、二人で過ごす時間は他のどんなものより、歩を癒してくれる。
歩は失ってしまった時間を取り戻したいと強く願うが……。
※この小説はフィクションであり、実在する人物、団体、地名等とは一切関係ありません。ご理解下さい。