あらすじ
魔族グラムは、己の血の繋がらない父親である魔王を殺害した。
魔王の統治による魔界の平穏を気に入らなかったからなのか、それとも別の理由があるのか、それは本人ですら分かっていない。
グラムに残されたのは満身創痍の肉体と、空虚な心だけである。
やがて魔王の仇討ちに燃える魔王軍がグラムの前に立ちはだかり、グラムは満身創痍のまま激戦に身を投じた。
魔法も使えず、魔力不足で肉体の再生も不可能。
ほぼ死にかけの重傷でありながら魔王軍を半壊させたグラムだったが、魔王軍の七魔将セラスの手によってついに敗北することになる。
グラムは死を覚悟した。
しかし時を同じくして、人間界。相次ぐ受難によって衰退したデュラン王国の若き女王シャルロット・デュランが絶望的な状況に陥った王国を蘇らせるべく行った召喚魔法によって、グラムは死の間際で人間界に召喚されることになる。
その後、召喚魔法の魔方陣から魔力を吸収したことで一命を取り留めたグラム。
内気だが大きな野望を持つ少女シャルロットとその執事セバスとの邂逅、紆余曲折を経てグラムはシャルロットと契約を交わすことになる。
だが、魔族との契約は世界の禁忌である。
それを犯したことを聖教会に知られたなら、デュラン王国は"浄罪の劫火"によって滅びの運命を辿るだろう。
それでもシャルロットは、禁忌の道を歩むことを選択した。
全てはデュラン王国のため、デュラン王国に住まう全ての民を守るため。
国を脅かす災厄や敵から国を守る兵器として、シャルロットはグラムの力を頼ることを選択したのである。
そしてグラムもまた、敗北の経験と力を失ったことで考えを少し改めるようになり、シャルロットとの契約を機に他者と共存する生き方を学ぶ決意を固めた。
己が力を取り戻すために、己が野望を果たすために。
出会うはずの無かった二人が出会ったとき、物語が幕を開ける。